2017年の日経平均と為替のコンセンサス予想

日経平均の高値水準は12月に21,000円がコンセンサス予想
2016年初の市場関係者のコンセンサス予想は大きく外れたが、2017年のコンセンサス予想を見てみよう。日経平均の高値水準の予想は21,000円が最多と控えめで、2番目に多いのが22,000円だった。高値をつける時期として4割強の関係者が12月と答えたのは、日経平均は過去4年のうち3回が12月高値になっているので、自然な回答だろう。日経平均の安値予想は17,000-18,000円に集中しているが、安値をつける時期の予想は大きく分かれている。
トランプ政権の滑り出しの失敗で2月、例年のように“Sell in May”で5月、トランプ氏の政策失望で10月などの予想が多い。円ドルレートの安値予想で最多は120円、2番目が125円だった一方、高値予想の最多は105円、2番目が110円だった。トランプ氏は米国の製造業雇用重視なので、大幅な円安ドル高は予想されていない。
日経平均と円ドルレートの相関は日銀のETF購入倍増後に多少低下したが、依然相関が高いので、円ドルレートの安値時期は12月予想が多い。市場関係者の2017年の日経平均と円ドルレート予想は控えめなので、意外な株高&円安のポジティブ・サプライズが起こるかもしれない。

投資テーマはAIが注目されているが、スピンオフにも注目すべき
市場関係者が強気の業種は銀行が最多で、機械、輸送機、情報通信、電機、サービスが続いた。情報通信やサービスは安定成長業種なので、株高&円安下ではアンダーパフォームすることが多い。我々は両業種のアンダーウエイトを勧めているが、意外と強気が多いのに驚いた。
好業績予想の建設はまだ相対的に強気が多かったが、小売や不動産などの内需業種は強気が少なかった。
投資テーマとしてはAI、自動運転、IoTが注目されている。我々は労働市場改革とスピンオフを2017年の投資テーマとして注目しているが、両テーマに対する市場関係者の注目度は高くないようだ。個別の有望銘柄では、1位が任天堂、2位がソフトバンクグループ、3位がソニーと三菱UFJ FGだった。2016年初に有望銘柄1位に挙げられたソニーは2016年に9%上昇したので、コンセンサス銘柄のパフォーマンスが悪いとはいえない。

2017年は労働市場改革と憲法改正の議論が政策課題
安倍首相は1月1日付けの年頭所感で、「2017年は日本国憲法が施行されて70年になる。2020年、さらにその先の未来を見据えながら、本年、安倍内閣は国民と共に、新たな国づくりを本格的に始動する」と述べた。3月の自民党大会で総裁任期の延長が正式に決まり、年内にも予想される衆議院選挙で勝利し、2020年の東京オリンピックを超えて首相を務めて、憲法改正を目指す意欲を示したといえる。2017年は働き方改革が最大の政策課題になる。3月末に働き方改革実現会議が報告書をまとめる予定である。経団連の榊原定征会長は、「インターバル規制(時間外労働を含む1日の最終的な勤務終了時から 翌日の始業時までに、一定時間のインターバルを保障することにより、従業員の休息時間を確保する制度)の義務化は産業界の実態と合わない」、「脱時間給制度(年収1,075万円以上の非雇用者は労働時間ではなく、成果で給料を決定)を導入し、年収基準を下げて対象を広げるべきだ」と、働き方改革に注文をつけた。

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